荒・中・責

伝統の槽(ふね)しぼりは、一日半をかけてゆっくりとお酒を搾る技法です。この搾り始め(荒ばしり)と搾り終盤(責めとり)のお酒は大きくその表情を変えますが、通常それらを分けて発売することはありませんので、その違いを愉しめるのは我々蔵人のみということになります。
この違いは思いの外顕著で、飲み分けてみると非常に面白く、皆様にもお楽しみいただくべく一年に一度、「純米吟醸まんさくの花」の新酒を特別に取り分けて発売するのがこの「荒・中・責」です。

「荒ばしり」のみという商品は数多くありますが、同じ一本のタンクから「荒ばしり」「中ぐみ」「責めどり」を取り分けるお酒は全国でも当社と恐らくは数社のみしか行っていない試みになります。
楽しむを超えて、お酒を愉しむまんさくの花のPremium edition。是非ともお愉しみ下さい。

搾りの時の違いが奏でる味の違いを愉しむ

槽搾りは、酒袋にもろみを詰めたものを一枚一枚手で並べて積み重ねていき、上から圧をかけて搾る方法です。

搾り終えるまでに丸2日かかり、搾った後の袋から酒粕を剥がす作業も全て手作業。非常に手間のかかる工程ですが、非常にやわらかい圧のかけ方が出来るため、今なお最良の搾り方法と考えられており、多くの蔵がこの方法を採用しています。

槽で搾られたお酒は、搾り始め(荒ばしり)・搾り途中(中ぐみ)・搾り終盤(責めどり)で大きくその表情を変えます。全く同じお酒が搾りの時の違いで全く違う味を奏でる。これは本来蔵人しか愉しめない秘密の飲み比べですが、皆様にもお楽しみいただくために、「荒ばしり」「中ぐみ」「責めどり」をそれぞれ特別に取り分けて瓶詰めを行いました。

全く同じタンクのお酒を取り分けるのは全国でもほとんどない試みです。数量限定のお酒ではありますが、ぜひ日本酒のさらなる魅力を感じていただければと思います。

荒ばしり
もろみの重みで自然と搾られる。袋の目は徐々に詰まっていくため、「うすにごり」でフレッシュ感満載
中ぐみ
積んだ酒袋の上から圧をゆっくりとかける。最も綺麗で透明感のある酒質。(写真は押す直前)
責めどり
強い圧をかけ、最後まで搾る。味が濃く、しっかりとした辛みのある酒質。

*全て小仕込みで行うため、取扱店ごとに仕込順合(タンク)が異なる場合があります。飲み比べを愉しむ場合、必ず同じお店で3本お買い求めください。

2018酒造年度の荒・中・責めについて(蔵元コメント 2019.1.11)

2019年1月12日発売。なお、初回出荷分の搾り日は12月23日です。

酒米は秋田県産の「秋田酒こまち」又は「吟の精」です。(販売店によって異なります。)

荒ばしり・中ぐみ・責めどりの違いを一言でまとめると、荒走りが一番甘く、責め取りが一番辛いです。これは弊社に限らず、どのお酒でも同じです。
ちなみにアルコール度は荒走りが一番低く、責め取りが一番高くなります。(最大で0.5%くらい変わります。)

荒・中・責の味の違いを「こんなものか」と感じる人もいれば、「ものすごく違う」と感じる人もいると思います。
いずれにしても、呑まないとわからない話です。日本酒好きならぜひ一度お試しください。

軽やかで爽やかな酒質です。穏やかな香りが幸せの余韻を残しながら、スッと消えていきます。 どのような料理と合わせていただいても邪魔することなく、お愉しみいただけると思います。