洗米・浸漬

2020年 01月 10日
精米したお米の表面には米ぬかが大量についています。
米ぬかには雑味の原因となるアミノ酸が大量に含まれているので、しっかり洗って落とす必要があります。
洗米したお米はそのまま仕込み水に漬け、浸漬(吸水)を行います。

(洗米の様子 詳しくは酒造り動画をご覧ください)



食べるお米は好みに合わせて30分~1時間程度の浸漬を行うのが一般的ですが、酒造好適米は吸水速度が非常に早いので、7分~15分程度で浸漬が完了します。また、日本酒造りでは厳密な吸水率管理を行うので、秒単位で調整を行います。

麹を造る麹米は表面がしっとりし、べたつかないギリギリを見極めてしっかりと水を吸わせます。表面が乾きすぎると麹が育たないし、逆に湿ってしまうと麹が表面でしか育たず、良い麹にならないからです。(表面が乾いていれば、麹菌は水分を求めて米の内側まで根をはやします。)

仕込みに使う酒米(掛米と呼びます)はあまり溶かしすぎないために、吸水を絞ります。しっかり外が乾きながらも、内側はしっかり水分を保有している、外硬内軟な蒸し上がりを目指します。

これはあくまで目安の話で、お米の品種によって表面の乾き方は全く違います。また、同じ品種でも年や産地で変わってきます。もちろん米の乾かし方から精米の具合でも全く違う米になります。なので、我々酒蔵は経験とデータの積み重ね、分析を融合させることで、理想の洗米・浸漬を目指します。
目視でこのように確認する方法もありますが、正直、気休め程度にしかなりません。



当社は測定できるものは何でも測定するというスタンスなので、かなり厳密な分析管理を行います。米を洗う前に赤外線水分計で白米の水分を測定し、過去の仕込みデータをもとに目標の吸水率を決定し、それに合わせて秒単位で限定吸水を行います。こうして吸水後の酒米の含有水分率を徹底的に管理し、酒米ごとに基準の数値を決定しています。



浸漬の方法にはいくつかありますが、「限定吸水」と呼ばれる手法に勝るものはありません。例えば400㎏の酒米を洗うとき、10㎏ずつ40個に小分けして丁寧に吸水率管理を行う方法です。

小分けにすることで、確実に目標吸水率に持っていけるのはもちろん、脱水機を使うことで表面の余計な水分やぬか水を全て飛ばすことができるのが最大のメリットです。大量のお米を一気に洗っても、工夫次第で吸水率はきっちり管理できますが、400㎏のお米とお米の間にある水までしっかり脱水することは極めて困難です。



当社ではお酒造りに使うお米の全量を限定吸水しています。手間はかかりますが、このひと手間が必ず酒質に表れます。