呑み手も、造り手も、みんなたのしく

当社では呑み手の皆様はもちろん、造り手の我々が日本酒を”愉しむ”ことが重要と考えております。

多種多様な酒米や酵母の酒造りに挑戦することは、呑み手の皆様にとっては呑み比べる愉しみにつながりますし、造り手の我々にとっては様々な発酵との出会いとなります。酒米が違えば当然発酵経過も異なりますし、さらには酵母、麹菌を使い分け、酒米の吸水歩合を0.1%単位で勝負していく。それが我々日本酒造りに携わる人間の挑戦であり、愉しみなのです。

当社は毎年酒米や酵母が異なるお酒を、50種類以上醸します。それらはブレンドすることなく、そのまま瓶に詰め、生原酒もしくは一度火入れ原酒として、お客様のもとにお届けいたします。本数が限られておりますので、こういったお酒は季節限定商品として発売しています。現在、『まんさくの花』は毎月見るたびにラベルが変わるブランドになりつつあります。

様々な酒米の魅力を皆様に伝えられるよう、これからも挑戦の気持ちを忘れることなく、酒造りに邁進していきますので、応援よろしくお願いいたします。

酒質はもちろん、見た目にも愉しいのが当社のお酒造りです。『我々が愉しんで造ったお酒を、皆様に愉しく吞んでいただきたい』気持ちをラベルに込めて発売いたします。一見何を意味しているのか分からないラベルも登場しますが、蔵人が酒を飲みかわし、愉しんで作ったラベルです。変わったラベルを見かけましたら、ぜひ手に取ってご覧下さい。

造り手から呑み手に、愉しさを届けるための酒造り

お米がお酒になるまで

当社の酒造りの工程をご紹介します。
なお、当社のHPでは酒造好適米であるかにかかわらず、お酒造りに使うお米のことを酒米と表現しています。

1.酒米の生産
地元や県内の農家と契約し、お互いに協力し、多種多様な酒米の生産を行っています。
また、秋田県内では生産が難しい酒米は県外の農家と契約するようにしています。
なお、日本で唯一当社が使用している「日の丸米」は地元の増田高校と共同で生産しています。(写真:当社契約農家)
2.酒米の搬入
完成した酒米が続々と当社に搬入されます。搬入した酒米はすぐに精米にとりかかります。精米が終わった米ぬかの搬出と新たな酒米の搬入が酒造りの期間中ずっと続きます。
(写真:増田高校による酒米搬入)
3.精米
当社では自家精米を行っております。当社の平均精米歩合は約52%と、ほぼ大吟醸に迫る数値となっています。(なお、50%精米にかかる時間は3日弱です)
枯らしを行う関係で仕込みの1か月前には精米がスタートします。
4.枯らし
精米直後の酒米は水分が飛んで不安定な状態のため、精米後3週間程度は寝かせて米を自然な状態に戻します。これを「枯らし」と呼びます。
5.洗米
酒米を蒸す前日に洗米・吸水を行います。米ぬかは雑味の原因になるので、胴割れに気を付けながらしっかりと洗っていきます。
6.吸水
酒米の種類、目指す酒質や工程によって目標は異なりますが、30%前後(100kgなら吸水後130kgになる)を目指して吸水を行います。吸水が終わった酒米は翌日の朝まで置き、水分の安定をはかります。
7.蒸きょう
酒米を蒸し上げると、外はパラパラ、中はもっちりとした蒸し上がりになります。蒸しあがったお米は手で捻り餅を作るなどして、状態を確認してから仕込みに使用します。なお、どんなに量が多くても、蒸しの時間は約1時間で変わりはありません。
8.麹造り
蒸米を麹室に引き込み、麹米を造ります。麹菌はとても繊細な菌なので、昼夜を問わず様子を見てあげる必要があり、子育てと同じくらいの愛情と苦労を麹菌に注ぐことになります。
9.酒母造り
酒のもと、酒の母、酒母(しゅぼ)を造ります。純粋な酵母を培養する段階で、良い酵母を育てることに心血を注ぐ工程です。写真のような入れ物を使って、冷やしたり温めたりして管理を行います。
10.仕込み
酒母、麹、蒸米を投入し、本格的に仕込みを開始します。仕込みは3回に分けて行い、タンクの中のもろみを徐々に増やしていきます。複数回に分けるのは世界の酒の中でも日本酒くらいです。初めに考えた人は本当にすごいと思います。
11.もろみ管理
具体的には「温度を上げる」「温度を下げる」「水を加える」の3つしか行うことができないため、一度の失敗が致命的です。非常に難しい判断になりますが、各種数値と経験で判断していきます。蔵のやり方にもよりますが、当社では一度仕込んでしまうとそこまでかき混ぜません。
12.分析
各種数値は毎日分析します。最後は人の感覚を信じるのが日本酒造りではありますが、当社では日本酒度、アルコール度、酸度、グルコース度、酒米の含有水分量、麹の力価など、可能な限り数値を測定しています。それが必ず将来の酒造りにつながっていきます。
13.上槽
仕込みから約20日前後で、お酒が完成します。大吟醸クラスですと30日以上かかる場合もあります。完成したお酒を伝統の槽(ふね)搾りにかけます。約2日間でお酒が搾られます。他には、ヤブタという1日で搾りが完了する設備もあります。
14.瓶詰
お酒の搾り後、タンクで貯蔵する蔵も多いですが、当社の酒造りの場合、搾ってすぐに瓶詰の工程に入ります。(生貯蔵をする場合はサーマルタンクという温度管理のできるタンクで氷温貯蔵を行っています。)瓶詰時に火入れを行うのが一般的ですが、当社は低温のまま瓶詰を行うため、酒質にダメージがありません。
15.火入れ
火入れとは殺菌処理のことです。火入れを行うことで、お酒内の酵母や酵素がなくなり、酒質が安定します。当社ではパストライザー・パストクーラーという装置で、お酒に負担が少ない温度を目指して火入れと急冷を行います。従来の瓶燗方式と異なり、打栓を行ったまま火入れを行うため、よりお酒本来の香りを残すことができると考えております。
16.貯蔵
最大15万本を貯蔵可能な冷蔵庫で、低温瓶貯蔵を行います。庫内の温度は4度に保たれており、時とともにゆっくりとお酒は熟成していきます。
17.ラベル作成
当社では新たな酒米や酵母のお酒に挑戦することが多く、その場合は新たなラベルを作成します。蔵人(社員)が意見を出し合って、皆でラベルを決定します。最近ではデザインも全て自社で行うことが多くなりました。
18.出荷
瓶貯蔵を終え、ようやくお酒が出荷の時を迎えます。ラベルのシワがないかどうか、出荷前にはすべてのお酒を必ず目でチェックします。(機械の調子でラベルがほんの1,2度傾いていることもありますが、そこは泣く泣く我慢しています。)